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【レビュー/書評】論破力(ひろゆき)を読んだ感想

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「論破力」あらすじ/内容

説得力のある話し方、討論に於いて大事な事などを説いてくれています。

 

内容的には「相手を言い負かす」事に重きを置いているような感じなので、これを鵜呑みに中途半端に実践で使用してしまうと人間関係が崩れてしまう可能性があります。

 

かと言ってそんな攻撃的な内容ばかりかと言ったらそうでもなく、

  • 人は怒っている時どうなりやすいのか
  • 討論に於いて大事なのは目の前の相手よりも議論を聞いている周りの人
  • もっともらしい意見よりも事実の方が断然強い

など、使い方さえ間違えなければ有効な人間関係を築くスキルともなり得る事を教えてくれています。

私が読んだ際にメモした文章

私が箇条書きでメモした内容をそのまま記載します。

本当にそのままなので分かりづらい文章もあるかと思いますが、その点はご了承ください。

 

  • 説得力のある話し方、説得力をどう高めるかと言うのは、議論している直接の相手に対してではなくて、議論を見聞きしている周りの人に対して高めていくもの。

 

  • 事実に対抗するのはすごく難しい。
    もっともらしい意見よりも事実の方が断然強い。

 

  • 自分が怒っているときに自分の味方を怒ることはしにくい。

 

  • 討論において大事なのは、目の前の相手がどういうタイプの人間なのかということよりも、議論を聞いている人がどういうこタイプの思考を持っているのかということ。

 

  • ひたすら謝り続ける相手というのは、攻撃できる材料が一つも増えないので結果的にぐちぐち同じことを言い続けるしかない。

 

  • 謝るときに大事なのは、自分がどう思っているかよりも「相手がどう受け取るか」ということ。

 

  • 行動、動作というカードの価値を考えて相手に突き付ける。
    普段謝らない人が謝るのといつも謝ってる人が謝るのとではカードの価値が違うので当然受け手の印象、反応も変わってくる。

 

  • 会議、話し合い、討論において重要なのはその場のキーパーソンが誰なのかをしっかり把握してその人に向けて話をすること。

 

  • 主観には答えが無いので本質的には説得が不可能と考える。

 

  • 定義が曖昧で難しい言葉はあまり使わないようにすると説得力が増す。

 

  • 自分の思い通りに相手に考えさせて、相手があたかも自分で思いついたかの様にするのが一流。→感謝されるカウンセラーは二流

 

  • 質問に対して答えが返ってくる、というラリーを何回かやってるうちに、質問していないのに相手が勝手に話し出したらその時にはもう「話したいモード」に入っている。

 

  • 特定の人との関係にゴールを決めてしまうのは無理がある。かなり難しい。

 

  • 自分一人で調べて考えて立てた仮説には必ず穴がある。
    それらは人に聞いて確認作業を繰り返し埋めていく。
    そうしないことにはその穴を埋めることはほぼ不可能。

 

  • 嫌いな人が現れたら、その人のどこが嫌いで何が許せないのかを考える。
    そうすると自分は何が嫌いで何が許せないということをより深く知る事ができる。

 

  • アメリカとか中国、フランスなどは核を持っているが使う気は無い。
    武器を持つけどあえて使わないというのも手段の一つだったりする。

 

一番心に残った内容/名言

  • 自分一人で調べて考えて立てた仮説には必ず穴がある。
    それらは人に聞いて確認作業を繰り返し埋めていく。
    そうしないことにはその穴を埋めることはほぼ不可能。
  • 説得力のある話し方、説得力をどう高めるかと言うのは、議論している直接の相手に対してではなくて、議論を見聞きしている周りの人に対して高めていくもの。

 

絞り切れなかったので2つ挙げさせていただきます<m(__)m>

私の感想

読了して思ったのは、

「この本に書かれている事を鵜呑みにして丸々職場で活用してしまうと人間関係が悪化してしまうだろうな」

ということです。

 

ある程度しっかりとした素養があり、その基盤の元この本に書かれているスキルなどを活用するのは全然ありだと思うのですが、その基盤も何もない状態で相手を説得するためだけにここに書かれている内容、スキルを使用するのはとても危険です。

 

この「論破力」は、相手を言い負かす事に少し重きを置いて話が進んでいきます。

”勝敗”というのは、敗けた方は基本的に良い思いをすることが少ないです。仕事ならなおの事。

 

ですので、”討論”や”人間関係の築き方”について何も知らない人がこの本から入り、誰かを説得する(論破する)ために実際の職場や友達にやってしまうと嫌われること必至です。

 

「じゃぁあまり良い本では無いのか?」

と言われるとそんなことは無いです。とてもタメになることを沢山教えてくれています。

 

仕事ならどうしても伝えなければいけない場面、上司や部下を説得しないといけない場面は必ずと言っていいほど遭遇すると思います。

 

その時、「目的をはっきりさせたうえで」この本に書かれている事を活用できれば、とても上手く状況を回せるかと思います。

 

基本的に私のような一般ピープルが仕事で相手方を説得しなければならない、「白黒はっきりつけなければならない」時って思った以上に少ないです。

必要であればワザと負けて、結果的に自分が当初考えていた目的を達成することが出来たのであれば、それこそが正解です。

 

孫子の兵法でも、

百戦百勝は、善の善なる者に非るなり。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり。(百戦百勝は最善の策ではない。実際に戦わずに、敵を屈服させることこそ最善の策である)

と語られているように、やはり勝敗をつけずして、どちらも気持ちの良い結果を手に入れる事が出来たらそれが一番の最善策だという事です。

 

孫子の兵法についての記事はこちら

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以上の事から、討論や説得力についていきなりこの「論破力」から入る人にとっては少し危険な内容だなと思いましたが、書かれていることは実際に的を得ており、”事実”に焦点を当てて論理的に説明してくれているので私の感想だと良書の部類に入ります。

 

あくまで目的達成のために、この本に書かれている内容を活用するようにしましょう^^

相手を言い負かしても良いことなんて滅多にありませんから。

 

 

 


最後まで目を通していただきありがとうございました。